蕎麦の成分と効用

蕎麦は炭水化物だから太る、

麺類だから栄養はたかが知れている

と思ってはいないでしょうか。

侮るなかれ、実は蕎麦は栄養価が高い食べ物なのです。

 

米や小麦は胚芽部分を取り除いて胚乳部だけを使いますが

蕎麦は栄養豊富な胚芽部が実の中心部にあるため

取り除くことができません。

また皮の下の甘皮にも栄養が多いため、

精製しないで作る蕎麦は栄養が豊富なのです。

 

たんぱく質が精白米より3割以上多く、そのたんぱく質は

非常に良質で必須アミノ酸が豊富です。

ビタミン類も豊富に含んでいて、特に疲労回復・肌の調子を整える

ビタミンB2は精白米の4倍量にもなります。

 

その上、蕎麦が白米などの他の炭水化物より優れている点は

「低GI値(グリセミック指数)」食品だからです。

※「GI値」とは、その炭水化物が糖に変わり

「血糖値」が上昇するスピードを数値化したものです。

 

【蕎麦八徳

 ・非穀美於穀

こくにあらずして、こくよりうるわしく

五穀ではないが五穀よりおいしい。

 ・膳中備天地

 ぜんちゅうにてんちをそなえ

お膳の中に自然の全てが入っている。

 ・器少饗応厚

 うつわすくなくしてきょうおうあつし

器は少ないがもてなしは厚い。

 ・雖食後能進

 しょくごといえどもすすめてよし

食後でも蕎麦くらいは食べられるだろう。

 ・多食腹耗易

 おおくたべてもはらこなれやすく

蕎麦はたくさん食べても消化がよい。

 ・和湯防寒気

 わとうはかんきをふせぎ

蕎麦湯を飲めば寒気をふせぐ。

 ・毎日食無飽

 まいちにしょくすれどもあきない

まいにち蕎麦を食べても飽きることがない

 ・実是仙家食

 じつはこれせんけのしょくなり

仙人はかすみを食べて生きていたというが、

 これは蕎麦のことではないかという説

 (明治期の漢文より)